矛盾ケヴァット

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【キコニア】ガントレット・ディメコン・リジェクションシールドの依存関係整理

A3Wが生み出した新たなる軍事力、ガントレットナイト。

戦闘機を超えた機動力(跳弾飛行)、大型空母並みの武装搭載量(ディメンジョンコンテナ)、戦車の如き無敵の防御(リジェクションシールド)を備え、既存の軍事力の全てを無意味化した、まさにゲームチェンジャー。それを実現しているのが、彼らの左腕に装着されている超技術、ガントレットであるとされています。

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本作のプロローグを飾ったこのプロパガンダムービーを真に受けるならばガントレットを取り巻くA3W超技術は以下のように整理されます。なお、パワポで突貫で作ったものであること、Twitterにアップしたものの再掲であることをご容赦下さい。

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跳弾飛行はこの図中に入れていませんが、8MS制御による飛行に包含できるでしょう。某ストラ●カーユニットに類似しているため最初は誤解してしまうのですが、ガントレットそのものが推進力を発生させるわけではなく、体内と大気中の対G8MSによる重力場の制御がガントレットナイトの飛行技術の本質です。また、左下の兵器管制については、無人兵器暴走事件において都雄が雪月花隊のマスターキーを取得することで彼らが所有する兵器の管制を実現させたことから、これもガントレットに固有の技術であると言って良いでしょう。

つまり、全てはガントレットを中心にガントレットナイトの力は成り立っているわけですね。ガントレット最強!!ウオオオオ!!!

 

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おい! ちょっと待ってくれ! それじゃあこのシーンの説明がつかない!!

この描写は極めて重要です。ガントレット未装着の状態からディメコンを起動し、そしてガントレットを装着している。ディメコンガントレットに依存した技術だとすると絶対にあり得ない描写です。

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元々、ディメコンはセルコンから起動されるものではあります。とはいえ、この都雄とジェイデンの決闘シーンでは両者ガントレットを装着済みなのでその依存関係は全く問題になりませんでした。ともかく、上記のLATO勢の描写と合わせると、ディメコンガントレットではなくセルコンに依存したもの、もっと踏み込むならばディメコンガントレットは互いに独立していると考えるべきです。無論、両者に共通している土台として、セルコンがあるという点で繋がってはいるのですが。

 

一方、リジェクションシールドの依存関係についても一考の余地があります。それもやはりLATO勢がヒントになります。LATO平和会議テロにおいて、爆発寸前まで彼女達はガントレットを装着していません

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思い出してほしいのですが、この平和会議においてガントレットナイトが動員された理由はリジェクションシールドを用いた要人警護です。その目論見がガントレットナイトを爆弾にするというやり方で挫かれはしましたが、目的が目的であるだけに常時リジェクションシールドを発動できる体勢でいる必要があるはずです。もっとも、立ち絵が確認できるヴァレンティナは藤治郎のエスコートという特殊な役目ではありましたが、リジェクションシールド発動の必要性は変わらないはずで、その彼女がガントレットを装着していないということはガントレットを装着していなくてもリジェクションシールドは発動できることを意味します。

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小此木教官のありがたいご指導によれば、リジェクションシールドの発動を司っているのは脳内の常駐ソフトウェアとのこと。つまり、リジェクションシールドもセルコン依存です。そんな……僕たちの信じていたガントレットは、実は大した機能なんか持っていないのか……?

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この疑問を解決するものとして、シリル暗殺時のリーテバイルのミサイル回避行動が挙げられます。1枚目から2枚目への遷移はディメコンからガントレットを取り出したものと考えて良いでしょう。ABN国際空港においてLATO勢が行ったのと全く同じ動作です。問題は、2枚目から3枚目。ガントレットを装着した後にリジェクションシールドを展開しています。ほら! やっぱりリジェクションシールドはガントレット依存だったんだよ!!

……と言い張れるかは正直なところ微妙でしょう。LATO平和会議テロの様子や小此木の講義と照らし合わせるならば、脳内ソフトウェアがガントレットも自動的に起動してくれたと考える方がよっぽど自然に思えます。ガントレット、そしてそれを取り出すディメコンもセルコン依存には違いないので、脳内ソフトウェアによる強制起動が行われても全く問題はありません。むしろ、安全性を確保する上ではそれが最も優れたシステムであるように思えます。

 

以上の考察を踏まえて、ガントレット、ディメコン、リジェクションシールドの関係はセルコンおよび8MSを同根とした独立した技術であると考えるべきだという結論に至ります。冒頭に貼った出来の悪いスライドは、以下のように書き換えられます。スライドの出来の悪さが変わっていないのはご容赦下さい。

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なお、ここまで8MSについては説明を放置してきましたが、単純にこの星の尊厳を奪うほどに物理法則を捻じ曲げられる技術なので、根本的にセルコンを介して8MS制御を行っているのがこの3技術の核心であると断定して良いでしょう。また、3技術とも、「個々人に合わせた調整」が必要とされており、体内外に8MSが充満するA3Wの世界観においては、それは8MSの調整が必要であるからと考えるのが自然でもあります。少なくとも、ガントレットについてはそう明言されています。

 

本記事はある程度紛らわしい書き方をされているガントレット・ディメコン・リジェクションシールドの整理を行ったものですが、その目的としては、ドライツィヒ変換について考察するためです。

ドライツィヒ変換は特にリジェクションシールドの利用に必須とされており、リジェクションシールドについて考慮すべき事象を整理する必要がありました。結果、少なくともガントレットやそれに依存した飛行および兵器管制、そしてディメコンについて考慮する必要はなく、セルコンと8MSについて重点的に考えれば良いというところまで整理できたと自負しています。

また、本記事では意図的に触れませんでしたが、おそらくリーパーズアイもこれら3技術と同様にセルコンと8MSに立脚した技術です。これがドライツィヒ変換にも絡んでいると踏んでおり、その土台の考え方はやはり本記事の通りになっていくと予測しています。

ドライツィヒ変換については、近々また考察記事を上げる予定です。決定的な結論はまだ出ていませんが、そのおぼろげな姿は若干見えてきたので。