矛盾ケヴァット

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ブースターパック第2弾!!ガルパの美味しいところを厳選した、テーマ別イベスト集Returns!!

その時、歴史が動いた……。

離さないでくれて、ありがとう……

Craft Eggがガルパ運営から撤退するとの悲報から2ヶ月半、その間にもサーバー移管と見られる長期メンテや、Craft Egg解散の正式発表、そしてバレンタインイベントのストーリーが削られたりなどの段階的なカタストロフィを見せられ続け、終末モノの主人公ってこんな気持ちなのかなあ……などと、一つの世界の終わりを見届ける覚悟すらしていました。もう絶望と仲良くなるしかないのかなとさえ思っていた矢先、この吉報は舞い降りました。

なんとここに来て、イラストやシナリオなどの一部要素は請け負う形で旧Craft Egg体制が一部ながら存続することが確定。運営そのものは結局ブシロードゲームズというスクフェス2を即死させたとこなので依然として一抹の不安はありますが、ともあれ最も心配であったストーリー部分の担当チームが続投する(完全にかは分かりませんが)ことには何よりもの安心を覚えます。いやだって、7年近く丹念に積み上げてきた物語なわけですよ。これを急にアウトソーシングするなんて現実的に無理だと思っていました。やるとしたら様々なものを削る体勢になる形しか考えられなかったので、ここの大枠が変わらなかったのは本当に大きかったです。

森川修一社長を筆頭として、フロムトーキョー社に移籍してまでガルパを支えてくれる決断を下してくれた全ての方々に対して、最大限の感謝を申し上げます。勿論、サイバーエージェント系列各社に残った、或いは別会社への転職を志して異なる道を歩むことを決断した方々に対しても、これまでの尽力に心からの感謝を。

 

……さて、奇しくも同日。この大発表を前にして、とある巨大記事が投下されました。

MyGO!!!!!がアニメとしてきちんと跳ねたにもかかわらず、ガルパの読み方が根本的に難しいせいで新規に届けづらいという問題に真正面から立ち向かった良記事でした。記事内で紹介されている各種“デッキ”はやはりいきなり新規の方に飲ませるには過重な気はするものの、ガルパの旨味は掬い取れたものになっていると思います。もし、ガルパの物語に興味があって胆力のある方がいれば、是非とも挑んで頂きたいものになっています。

……とはいえ、僕も「ガルパのイベストは全部読め」と声高に言い続けてたタイプなのですが、それが他のオタクに響かずに悔しい思いをすることが多かった身です。暑苦しく喧伝し続けてたら、最終的には当時属していた界隈が不真剣部やら老害部やらを立ち上げだして僕だけハブられるという苦い思いさえしました。

しいはらりゅう先生の復帰もお待ちしておりました

まあでも確かに、年月を重ねる毎にボリュームが増えていくコンテンツであるだけに、一旦追えなくなってしまうとその負債が増え続けるというのは心理的負担が過大であるのは確かです。でも、それでも確かに声高に言えるのは、ガルパの物語は本当に面白い!ということなのです。そのことを広く知っていただくためにも、やはりもっとコンパクトな入り口が必要なのだという体感が切実なものとしてあります。そういう実感があってこそ書いたのが、It's MyGO!!!!!放映中に書いた以下の記事でした。

こちらの記事ではやはりポピパの導入を入念に行いつつ(だってここが一番難しいんだもん!)、MyGO!!!!!並びにAve Mujicaと共通していると思しきテーマを8つ取り上げ、それぞれ代表的な4イベストのセットを取り上げるという形式を取りました。上記のthzaqさんの記事がデッキだとするなら、僕の記事はブースターパックという立ち位置になるのではないかと思います(どういうわけかブースターパックの方が先に出てますが)。それ単体では戦えるものでは確かにありませんが、骨格たるデッキを強化できる、そして一種のテーマに沿ったカードを揃えてこだわりを感じさせるものにできたのではないかとは自負しています。

……さて、ブースターパックということは、別に第2弾を出してもいいわけです。Craft Egg撤退で一時は心配されたシナリオ制作体制は存続が決定しましたし、そしてガルパ7周年直前という絶好のタイミング。機は熟したと言えます。ていうよりはフロムトーキョー設立がめでたすぎて第2弾出してぇ……!! とか思っちゃったわけです。前回の記事で語れていないことも、あまりにも多かったですし……。

というわけで、本記事では前回と同様にガルパの各種テーマをピックアップして、その旨味を味わえる「とりあえずこの流れ読んどきな!」というイベスト4選からなるリストを7種をパッケージングして、合計30イベストをレコメンドした記事となります。……いや、ちょっと待ってくれ!? その掛け算は解がおかしくないかい!?

いえ、その理由は記事を読み進めれば分かると思います。なお、前作ではMyGO!!!!!ないしAve Mujicaとの関連を重視したテーマを選定しましたが、今回はその制約を取り払いました。より純粋に、ガルパの魅力が伝わるテーマを、7つ厳選したつもりです。ただ、MyGO!!!!!やAve Mujicaに接続しそうなら適宜言及しているので、It's MyGO!!!!!から入ってきた方もお楽しみ頂けるかと思います。

Theme 9:進化し続ける未完成 ~丸山彩~

前回の記事で設けた「MyGO!!!!!およびAve Mujicaとのシナジーを重視する」というコンセプトですが、その結果としてガルパの根幹とも言える本質的な面白味までは語り尽くせなかったなという後悔もありました。その代表例が丸山彩の物語。ガルパを語る上では絶対に外すことのできない、鮮烈な成長と強さを見せてくれる魅力的なキャラクターです。丸山彩を語らずしてガルパは語れないとまで言っても過言ではありません。

古今東西のアイドルものの伝統に違わず、アイドル・丸山彩の原点にも憧れの存在がいました。Marmaladeのあゆみさん。尊敬する存在が懸命に頑張る姿から、この人のように誰かに夢を与えられるアイドルになりたいと志したことが、丸山彩が芸能界の門を叩いたきっかけです*1。最初期の代表的な傑作イベスト『あゆみ続けた道、彩られる未来』にて、Live 2Dを駆使して丸山彩が憧れの存在と一体化するという表現が為された時にはソシャゲって、ここまで感動を揺さぶることができるのか!?と衝撃を受けたものです。ここでガルパの物語に心を掴まれた方も多いのではないでしょうか。以降、この物語で託されたあゆみさんを超えることが、丸山彩にとっての最大の夢となっていきます。

ところで、憧れを超えるということは、ある意味で輝かしい過去を否定することにも繋がるわけですが、その通り。丸山彩の力の源泉は、過去を否定できること。そして、今を否定できるようになるはずと未来を信じられることです。『夢に一途にまっすぐに』では、パスパレメンバーが彩に密着取材したドキュメンタリーを撮影するというきっかけから、Pastel*Palettes結成以前、彩が研修生として採用された際のオーディションを振り返ることになります。今より身長も5センチ低かった当時の自分の歌やダンスが、今となっては反省する部分ばかりだと自嘲しますが、丸山彩にとって、反省できるということは成長した実感の証明でもあります。そして奇しくも、このイベントは密着取材によりアーカイブが残る物語となっていました。アイドルの卵だった頃の自分を今の自分が振り返っているように、今の丸山彩の姿が、未来の自分が振り返るために残されているのです。そのことを受け止めた彼女から語られた言葉は、今の自分が過去を反省できるように、未来の自分も今の自分を反省してくれるはずという、自己否定をしながらも自分自身の成長の可能性を全面的に信頼したものでした。

そして、丸山彩という成長を信じ続けられる人物の強靭さは、バンドストーリー3章となる『TITLE IDOL』で一つの境地に至ります。既に各種の記事で述べているように、Poppin'Partyの夢はその輪が世界に広がり続けるものでした。それに対抗するなら、Pastel*Palettesの夢の形は直線。具体的には年表です。憧れの先輩アイドルを後輩の自分が超えていく使命を負い、そして自分が自分を超え続けることで成長していく丸山彩にとって、アイドルとは後輩が先輩を超え続けることで紡がれる歴史書に他なりません。アイドルという刹那的な活躍を芸能を通して、大河的とまで言える壮大なスケールで丸山彩にとっての夢の広がりが語られます。

この物語の発端は、VividCanvasという後輩ユニットがパスパレのバーターとして充てがわれながら、徐々にパスパレの人気を食い始めたことでした。当時、Craft Eggから暖簾分けしたプロセカがリリース当初だったこともあり*2、後輩コンテンツに食われかねないガルパの立ち位置をも投影した物語になっていました。まあ、結果的にガルパが後輩に完膚なきまでに追い抜かれたのは歴史が示す通りですが、その危機感とも正面から向き合いつつ、アイドルの物語を通して後進が先達を超え続けていくべきだと位置づけてきたのは、栄枯盛衰が常のソシャゲが打ち出す物語としては切実ながらも真摯でした。

そしてその過程で、丸山彩が想いを届けようとする相手も語られました。単発のライブですら、一番遠い客席に目線を向け続けていたほど、その視界は全てのファンを取りこぼすまいという姿勢でステージに経っています。では、その活動全体ではどこを見ているのか。それは、夢を追いかけている、すべての人。Poppin'Partyに通ずる無限遠にまで広がる輪を感じるところですが、パスパレの文脈を踏まえるならば、これは後々にライバルになり得る全ての人でもあります。自分たちを食いそうだったVividCanvas、或いはその後もパスパレ以上のトップアイドルになり得る全てのアイドル、そんな自分を否定するかもしれない存在全てに夢を与え、応援し続けるのが丸山彩のスタイルなのです。己自身が、あゆみさんからその力を貰ったように。

  • あゆみ続けた道、彩られる未来
  • もういちどルミナス
  • 夢に一途にまっすぐに
  • TITLE IDOL

数多の逆境に晒されても立ち上がり続ける不屈のアイドルの物語を色濃く味わうとしたら、外せないのはこの4つ。本記事では紙幅の都合上から解説を省いたバンドストーリー2章『もういちどルミナス』ですが、丸山彩およびパスパレ全体を語る上で欠かせないグラデーションというテーマを克明に描いているため、『夢に一途にまっすぐに』を読む前には絶対に触れてほしい物語となっています。そして、ドジってばかりのアイドルが未完成ゆえに境地に辿り着く姿は、『夢に一途にまっすぐに』および『TITLE IDOL』でその彩度を高めていきます。

なお、丸山彩は演者である前島亜美さんの尽力を除いては語れないキャラクターでもあります。丸山彩を演じたどころか、丸山彩を生きたと言っていいほど、キャラクターを大事にし続けてくれました。Pastel*PalettesのSpecial Liveと銘打たれたTITLE DREAMにて、本来多忙なパスパレキャスト全員がPastel*Palettesとして壇上に集まる光景は、前島亜美さんのそれまでの尽力を祝福するBanG Dream!(夢を撃ち抜く)の瞬間でした。そして、その前島亜美さんは度々丸山彩の魅力を「未完成であること」と語っていらっしゃいます。本項のタイトルである「進化し続ける未完成」は、この表現を心底リスペクトしたものです。

 

Theme 10:日常が積み重ねた誇り ~氷川紗夜(前期)~

Ave Mujica 1stライブのnote記事でも書きましたが、やはりAve Mujicaにはかなりさよひな要素が受け継がれている気配が感じられます。特に祥子と睦が双子の姉妹まで可能性あるわけですし、そうなると、前回の記事で氷川日菜を真っ先にピックアップしたにもかかわらず、姉の氷川紗夜に触れられていないのは如何なものかというところ。というわけで、やはりこのキャラクターの歩みについては語らなくてはいけない……と思ったのですが、氷川紗夜についてイベストを4選するのが難しすぎるという切実な問題に直面しました。氷川紗夜というキャラクター、成長要素があまりにも多すぎるのです。とてもじゃないですが、4イベスト程度で語り尽くせるような単純な経路を辿ってはいません。

とはいえ、大きく二分すれば前期と後期には分けられるかと思います。前期は、嫌いだと思っていた自分のギターの音を好きになるまでの流れ。後期はその過程で肯定してきた自身の論理的な資質を駆使して後輩を指導しながら、自身も成長していく物語です。どちらも非常に面白い成長を見せてくれますので、敢えて項を2つに分けて語りたいと思います。

氷川紗夜を語る上で語れないのはやはり妹の氷川日菜の存在。紗夜にとってあらゆる劣等感の源泉となってきた妹との仲は、初期は険悪もいいところでした。ただ、『秋時雨に傘を』を機にその姉妹関係が決定的に転換します。そしてこの物語中において、技術と正確性を追い求めてばかりの「つまらない音」だと認識していた自分の音に誇りを持つことが氷川紗夜にとっての宿命として位置づけられます。そしてそれはまた、日菜と一緒にギターを弾き続けるという約束にもなって以降の物語を引っ張り続けるものになっていきます。

その後はその「自分の音」というテーマを中心に物語が展開するのかと言えばそんなことはなく、むしろお菓子作りを始めたりネトゲ廃人になったり和太鼓叩いたりアミューズメントプールで遊んだりと年相応の女子高生らしいレジャーをあれこれ満喫していました。お、おい! バンドしろよ!

いいえ、これこそがバンドリ!ガールズバンドパーティ!の真骨頂。彼女たちの何気ない日常の積み重ねが、そのまま彼女たちを成長させていく礎となる……タイトルが示すようにガルパはガールズのバンド(絆)パーティ(関係性)の価値を称揚する群像劇なのです。その点が最も濃密に描かれたのが、誰あろうこの氷川紗夜の物語だと感じています。

そして、特に氷川紗夜に大きな影響を与えたのがAfterglowの羽沢つぐみでした。どちらも周囲に対して劣等感を抱えており、嘘がつけず、そして何かと力みがち(ツグりがち)だった、似た者同士の2人。お互いがそれぞれ自分がコンプレックスだと思っている部分を打ち明けつつ、相手の短所を尊重することで自身のコンプレックスを否定しなくていいと確認し合っていくやり取りは本当に芸術的ですらあります。お菓子作りという身近な題材から、他者という鏡から自分を見つめ直していく成長をやっていく。ガルパの物語はこういった何気ない日常の積み重ねから自身と向き合い続けることによって成り立っているのです。

もう一人、バンド外から氷川紗夜に大きな影響を与えた人物としては、同じくAfterglowから宇田川巴が挙げられます。最初は雨女を自称する紗夜の迷いを和太鼓でソイヤして振り払う形で交流を深めましたが、本来この2人が共通して抱える葛藤は妹から追われる姉というもの。主に宇田川姉妹にスポットを当てたストーリーでありながら、『Growing Up Sisters!』では追いかけてくる妹に2人の姉がどう向き合うかが綺麗に対比されて描かれました。向き合うことを決めて弱さも全て吐き出した紗夜と、敢えて弱さを飲み込んで背中を見せ続ける巴。全く共通点がなさそうでいて実は似た者同士だったつぐみとは異なり、立場が似ている巴とは決定的なまでのスタンスの違いが浮き彫りにされました。こうした、同種のテーマを抱えたキャラクターがどう共通していて、どう相反しているのかが明快に語られるのもバンドリ!ガールズパーティ!の醍醐味です。

そして、先にも述べたように、最終的に氷川紗夜は自分自身の奏でる音を誇れるようになりました。その際に胸から溢れ出た思いには、周囲の人々への感謝が語られました。彼女が誇りを手にできるようになったのは、日常を積み重ねる過程で自分自身を見つめ直してこれたからです。

  • 秋時雨に傘を
  • ちぐはぐ!?おかしなお菓子教室
  • Growing Up Sisters!
  • ノーブル・ローズ -歌、至りて-

「私にはギターしかないの!」とヒステリックに叫んでいた少女は、日常の蓄積からで自らが奏でるギターの音を受け入れられるようになっていきました。『ノーブル・ローズ』シリーズは本来三部作であり、『-歌、至りて-』は最終章なので前2作とは本来不可分なのですが、紗夜が自分の音に誇りを持つという物語にピリオドが打たれるのはここなのでやはりセットリストには入れざるを得ませんでした。ですが、やはり前2作も併せて楽しんで頂きたいストーリーにはなっています。

なお、本項のテーマとは合致しないため苦渋の決断としてセトリ落ちとしましたが、自分の音と向き合えるようになった紗夜がその後、妹との時間や音楽そのものを心から楽しめるようになった集大成の物語として、『プリズマティック・デュオ』があります。前記事の氷川日菜の物語も併せて味わった末に、是非とも読んで頂きたい超傑作の一つです。

 

Theme 11:言語化という諸刃の剣 ~氷川紗夜(後期)~

さて、めでたく自分の音を誇りとして受け止めたの氷川紗夜は、師匠キャラとして新たなる道を歩み始めることとなります。ただ、出来てしまった弟子はあのテキトー女たる桐ヶ谷透子。その人間性からして破天荒で常識が通用せず、演奏面でも紗夜が拠り所にしてきた基礎練習が奏功しない、まるで違うタイプのギタリスト。幸いにも、花園たえや瀬田薫といった、これまたぶっ飛んだギタリストと共に梁山泊を結成したことで指導は軌道に乗っていき、以降、この師弟関係は氷川紗夜の物語の大きな軸になっていきます。なお、余談ですがバンドリのギタリストは大半がイカれた連中であり、ぶっちゃけ常識人の方が少ないです。この伝統はMyGO!!!!!以降ですら維持されており、どういうわけか夢限大みゅーたいぷのギター2人もしっかりイカれていました。変なとこ律儀だなあ!!

桐ヶ谷透子への指導を続けるにつれて、元より生真面目で論理的だった氷川紗夜の中に、新たな強みが生まれていきます。それこそが言語化。元よりるんっ♪のような独自言語を駆使する妹がいたことを思えば、本来もっと早く身につけるべき力だったのかもしれません。ただ、その力は妹に対してよりも、Roseliaの中で真価を発揮していくこととなります(日菜の言語化は主に大和麻弥が担い手となりました)。湊友希那が捨てたはずの過去を無理やり掘り返し、割り切れない感情に苛まれることとなったバンドストーリー3章『Sprechchor』では、その言語化力こそが友希那の蒙を啓き、Roseliaがプロデビューするにあたってあるべき姿勢の先鞭をつける役目を担いました。

ですが、この言語化の力が思わぬ副作用を孕むことも最近の物語では語られ始めています。『永い夜、永遠を抱いて』ではそれこそ一生バンドすることを氷川紗夜なりに問うた物語となっており、MyGO!!!!!のテーマと共通したものを描いてもいます。元は日菜に負けたくないという一心で、近視眼的にギターを掻き鳴らし続けていたのが、ギタリスト・氷川紗夜の原点。そんな彼女がプロとして生きることを決めた結果、一生という無限遠に現実感が持てないという悩みを抱え始めました。この問題を受けて一人思い悩んだ紗夜は、言語化という迷路の果てに日菜との決別を決意するという、少しズレた解を出してしまいます。

それを導いてしまったのは、紗夜とは対照的にドーン!バーン!などの擬音が口をついて出る、語彙力に弱みを抱える宇田川あこ。この宇田川あこと白金燐子はRoselia内においては進むべき道を指し示す晦冥の導き手として過去の物語ではその立ち位置が確立されているのですが、このイベントでは意図せずスリードをしてしまったと言うべき形です。未だ適切な言葉を紡ぐことを不得手とする宇田川あこは、言語化を力としてきたが故に言語に頼るようになってきた紗夜に対して、不十分な言葉選びからボタンを掛け違えさせる遠因となってしまいました。この2人の成長性の不一致がもたらした誤答の行く末は、シーズン3になった今もまだ解決を見ていません。

あこは常に巴を基準にし続けてるのですが、そこが紗夜には伝わりきりませんでした
  • 凛と薫る風の調べ
  • Sprechchor
  • 春待ちのチョコロールケーキ
  • 永い夜、永遠を抱いて

かつては狂犬と呼ばれた少女も、今や指導者として他人のリードを握る立場となっています。『永い夜、永遠を抱いて』で感じた不安が未だ解決していないのは前述の通りなのですが、今後の光明となるであろう布石は『春待ちのチョコロールケーキ』で打たれています。前項の『ちぐはぐ!?おかしなお菓子教室』以来、4年以上ぶりとなるさよつぐのイベント*3。このイベント、紗夜とつぐみが互いに愛読している小説の聖地巡礼デートをするという正気を疑うレベルの糖度の内容です。

なお、この愛読小説では、作中の百合カプ2人の少女の顛末は敢えて描かないという表現を選び取ったと言及されています。当時は上級生組の卒業が匂わされていたのでその絡みとして受け止めていたのですが、後期氷川紗夜の物語が言語化を主軸にしていると読めば、敢えて言葉で表現しないことの意義が語られている事実は注目に値します。というかまあ、それ以前に紗夜とつぐみのやり取りがゲロ甘なので、シンプルに読んでて満足度の高いイベストです。

 

Theme 12:言葉にならない思い ~山吹沙綾~

とはいえ、紗夜が言葉を尽くすようになったが故に問題に直面しているというのは、ある意味でそれまでのバンドリおよびガルパが紡いできた物語のカウンター的な側面もあります。実際、言葉を尽くさないが故の行き違いの方が圧倒的に多かったですし、特にPoppin'Partyは絶えずそのせいで問題に直面してきました*4山吹沙綾には以前組んでいたCHiSPAというバンドをメンバーの誰にも相談しないまま去ってしまった過去があり、この辺り、言葉不足によりCRYCHICが解散に至ったIt's MyGO!!!!!にも引き継がれた部分です。ねぇ、睦ちゃん?

コミュニケーション不足の極みとも言える名シーン

ただ、Poppin'Partyというのはその言外のコミュニケーションを全面的に肯定するバンドです。みんなの気持ちが一つになる。それがこのバンドが常に目指すところであり、その「みんな」の範囲が拡大し続けることがPoppin'Partyの成長の証となっています。そして、気持ちが一つであれば言葉を尽くす必要は無いのです。

バンドコンテンツでもあるため、アニメでは特に音楽がそのためのツールとして活用されてきました。ポピパではアニメ2期10話のSTAR BEAT!や3期3話のSTEP×STEP!がまさにそうでしたし、It's MyGO!!!!!10話の詩超絆も、燈の言葉を超越した思いが音に乗ってそよの胸に届いていく姿がとてつもない熱量で描き出されていました。

ただ、ガルパの場合はストーリー部分がADV媒体であるため、挿入歌はアニメほど効果的には使えないという制約があります*5。なので、このテーマを物語中の出来事として手を変え品を変えながら表現してきた歴史がありました。その第一の例が手を繋ぐことで気持ちを伝えてきたバンドストーリー2章『二重の虹』。手を繋いだだけで本当に気持ちが伝わるのか? と問われれば、答えはNOだとは思います。けれどもおそらく、その手を通じて伝わる沙綾と香澄の鼓動はシンクロしたでしょう。それこそが星の鼓動であり、そのシンクロには言葉以上に、相手が抱えているものを通じ合う作用があります。この騒動の発端となった有咲にもその鼓動のシンクロが伝播し、最終的にポピパ全員が「ポピパが大好き!」という気持ちを共有することで解決を見ました*6

その後、紆余曲折あって……というよりは青葉モカの暗躍によって、沙綾には写真撮影という新たな趣味が生まれました。元よりポピパの音楽はその時その時に感じた“今”の記録という側面もあるため、写真という記録媒体はそれを視覚面に拡張したものと言えます。そんな新たに見つけた個人的なお楽しみが花女全体に貢献する形となったのが『Welcome to Open School!』。新入生向けのパンフレットを作る流れで沙綾の撮影する写真も大きな役割を担っていきます。花女の新入生と言えば椎名立希、八幡海鈴、三角初華が該当するわけでもあり、もしかすると、ポピパの尽力で作られたパンフレットをきっかけに入学を決めた人物だってこの3人の中にいるかもしれません。

ただ、このイベストのサビに相応しいのは、牛込りみがこのセリフを口にした瞬間でした。この物語の渦中では生徒から「みんなの思う花女の名物スポット」を公募する形でパンフレットの内容が充実していき、そして、その中には「新しい出会いのある校門」と書かれた一通も含まれていました。そう、山吹沙綾が戸山香澄と人生を変える出会いをした、あの校門が。とはいえ、校門なんて沙綾に限らず、出会いの場所としてはありふれたもの。少なくとも花が舞い降りてきた架道橋だとか偶然目と目が合ったプラネタリウムだとかに比べればドラマチックさは遥かに見劣りします。

ですが、だからこそ、そこにドラマを感じた人物が山吹沙綾を置いて他にはいないということを入学当初は誰とも目を合わせられなかった牛込りみが見抜いてきたことが、強く印象に残るシーンになっていました。それまでのポピパの年月が紡ぎ上げてきた相互理解、そして他人を瞠目できるようになった成長が、それこそ言葉にすることはないまま行動で示された名シーンです。

そして、幼い頃から家族のために自分を犠牲にしてきた少女の抱えてきた問題が、『ベーカリーの明かりは落ちて』で遂に一つの解決を見ます。それまでの物語で欲張りな自分を肯定してはきたものの、やはり何より大切にしている家族に対しては、一家の大黒柱としての立場を内面化しすぎて、ワガママを口にできないという葛藤を抱えてきました。ですが、進路を見据えるに至って家業を継ぐか否かを家族で話し合った時、それが言葉になりかけました。不器用で子供らしくは振る舞えない沙綾らしく、「でも…」という形で。

あまりにもささやかすぎる発露でしたが、それを目ざとく拾い上げたのはやはり牛込りみでした。その「でも」の先にこそ、真意がある。そこに、言葉に出来ない大切な思いがあるはずだと、手を繋がなくともその思いへシンクロするとことで、沙綾本人すらも言葉にできずにいた感情への共感を示してくれました。そう、言葉を超えた共感ができるなら、本人の理解よりも早く、その先にある感情へとコンタクトできるのです。そして、今や家業のしがらみから解き放たれた沙綾がRiNGでのアルバイトを始められたのはIt's MyGO!!!!!でも見られるとおりです。彼女が家の外でも笑顔で活躍できるようになったのは、このイベストで下した決断がきっかけです。

  • 二重の虹
  • 私模様テクスチャー
  • Welcome to Open School!
  • ベーカリーの明かりは落ちて

これも4選するのには悩み抜いたくらい濃密なテーマなのですが、特に粋を味わえるとしたらこの4つ。本項では軽く触れるにとどまりましたが、青葉モカの暗躍によって沙綾がカメラを趣味にしていく様子が描かれたのが『私模様テクスチャー』です。Morfonica登場以前としては最後の混合イベストでもあり、初期5バンドが相互に“影響”し合った末に沙綾がカメラという趣味を手にするという大変面白い筆致なので、読んで損はない隠れた傑作です。

なお、本項で扱うテーマの連続性の関係から断腸の思いからセトリ落ちさせましたが、“影響”は牛込りみと山吹沙綾の関係を語る上で欠かせないキーワードです。もし余力があれば、できれば『二重の虹』の後くらいのタイミングで『ひたむきSong for me』にも当たって頂きたいと思います。他者から受ける影響という、ガルパが紡ぎ続けているテーマの根幹が端的に語られています。

 

Theme 13:青春とは飛び出していくことである ~広町七深~

普通とか当たり前って何だろう?

高松燈が人生を通して抱え続けてきた問いに苛まれた少女は、それ以前からガルパにも存在していました。広町七深もまた、普通になれない自分に葛藤し続けてきた人物です。……というよりは、ガルパ初期に氷川日菜が人気を誇ったことから、新キャラクターを追加する上で日菜の持つテーマを拡張しようとした際に、Craft Eggが作り上げたのが広町七深、綾奈ゆにこ先生が作り上げたのが高松燈という対照性になってくるのではないかと思います。周年イベントではMyGO!!!!!勢と他バンドの越境が解禁され、高松燈と氷川日菜という新旧羽丘天文部部長の邂逅が約束されているだけに、高松燈と広町七深という普通になれずに悩んできた2人の絡みも今から楽しみです。お互い氷川日菜とはパイプがありますし。

広町七深が普通を追い求めてきたのは、やはり氷川日菜と同じく天才性ゆえでした。氷川日菜は大好きなおねーちゃんに嫌われてしまうことを除けば、周囲との違いも「あたしとみんなって何で違うんだろ~? わかんないや、アハハ!」と脳天気にも受け流せてしまう柔軟さがあったのですが、そんな孤独には耐えられない方が本来は普通。氷川日菜ほどブッ飛んでは生きられなかった広町七深は、みんなといるのに独りみたいな孤独感を抱え、やがてその天才性を隠して生きるようになります。とはいえ、その欺瞞は、音楽面では凡人として苦悩してきた八潮瑠唯には当初から見抜かれていました。というか、その隠し方も普通を志しすぎて全教科のテストで平均点を取るという初期の宮永咲くらい器用に不器用なやり方でした。

ただ、その孤独に一旦のピリオドを打つことになったのが『秘密と青春のイリゼ』。ふとした偶然から自分がかつて天才と称されるようになった絵画が桐ヶ谷透子に見つかります。元より多方面に才覚を発揮していましたが、この絵を機に周囲から畏怖の目で見られ始めるようになった、悪い意味でのきっかけの作品。ただ、かつての学友とは違って、透子を始めとしたMorfonicaの面々はその才能に距離感を感じることなく受け入れてくれました。結果、七深にとって自分を曝け出せる範囲が自分独りの空間からMorfonicaへと広がり、彼女が憧れた普通の青春を少しずつ謳歌できるようになっていきました。

とはいえ、このイベントにて語られたように、本来最初に周囲と距離と取り始めたのは七深の側です。お前のそれは逃げだよね? そしてこの広町七深、Morfonicaの中でさえ芸術面でこそ自身の背負ったの十字架を降ろすことに成功しましたが、学業面や音楽面では未だ秘密を隠し続けているのが悩ましいキャラクターです。特に、同じバンドに何の才能も無いことに苦悩し続けている二葉つくしを抱えているので、広町七深があれもこれも出来るのにそれを無駄遣いしてきた事実は、当初から燻り続けている爆弾の導火線となっています。この点はまだ解決していませんし、ずっと衝突が予感されている要素になっています。

ただ、それでも世間一般の普通っぽい青春をトレースしていた頃からは格段に進歩して、七深なりに青春は確かな像を結んでいきます。八潮瑠唯がその徹底した合理主義からMorfonicaを脱退しかけた騒動に際して口にしたこの言葉は、瑠唯に気持ちを割り切らないよう懇願した祈りであると同時に、広町七深が探し続けた答えでもありました。青春とは、あらゆる感情がいっぺんに押し寄せてくる怒涛であり、その感情の奔流に「きちんと悩む必要」があります。そして、「きちんと悩む」ということは今いる場所から飛び出すこと。つまりは飛び出せ!青春です。普遍の中に埋没することで己を守ろうとしていた天才が、ようやく自分なりの青春の形を見出した瞬間でした。

青春を理解し始めた広町七深は、同じバンドの中でも最も様々な感情を発露させている桐ヶ谷透子を範として、未知の領域へと飛び出していきます。特に、『サマーサニーバスケット』では、内に秘めた野生を目覚めさせて野山を駆け回るまでにいつの間にかタイプ:ワイルドしていました。けれども、その擦り傷、切り傷、仲間の数はちょっと自慢になっていくのだと思います。

なお、シーズン3以降のMorfonicaは過度な規律を強いる新理事長の方針に抗う物語を展開しており、この新理事長の抑圧が月ノ森の生徒を籠の蝶にするものと比喩されています。だとすると、この青春が培う野生は籠から飛び出すためのカウンターを生み出す源泉として期待されるものです。

なお、青春して飛び出し続けた少女がどこに至るのかも、実はMorfonicaの物語の中で既に語られています。答えは最強。桐ヶ谷透子が主催し全ての女子高生のためのイベントとして銘打ったトーコレ(超TOKOコレクション)のキャッチコピーがこれでした。この企画の始まりは透子の曖昧な思いつきが発端でしたが、透子が打ち出したこのコピーは偽り無く真実です。青春の過程で数多の感情を受け止め続け、飛び出すことができた少女ならば、誰しも最強になれるのです。

現に、桐ヶ谷透子は既に最強です。彼女が成長してきた環境は、まさに月ノ森の外に飛び出した時に構築されました。前述したように、氷川紗夜、花園たえ、瀬田薫らによって結成されたギター梁山泊で指導を受ける、史上最強の弟子となっています。

  • 秘密と青春のイリゼ
  • fly with the night
  • あたしのためのカデンツ
  • サマーサニーバスケット

青春に一つの解を出したのがバンドストーリー2章の『fly with the night』、そして青春の果てに“野生”という相反する自分を見出していったのが『サマーサニーバスケット』です。なお、透子が自身の主催イベントの過程であらゆる女子高生の青春を肯定した物語である『あたしのためのカデンツァ』は、その合間に語られました。

他のセットリストは割と“完結”までが描けているのですが、広町七深に関しては現状物語として着地してるとは言い難いので、もしかすると今後にドデカい到達点が来るかもしれません。ただ、普通とか当たり前って何だろう? ということに悩み抜いた少女の物語は、普通どころか最強を志すものになりそうではあります。

 

Theme 14:有限の人生 ~弦巻こころ~

青春とは、瞬く間に過ぎゆくもの。アニメかガルパかを問わず度々バンドリではその儚さが語られます。特にPoppin'Partyの楽曲「切ないSandglass」は砂時計をモチーフにして、ただただ零れ落ちていく時間に対する喪失感を歌い上げた楽曲となっており、現時点でのMyGO!!!!!の最新曲のひとつ「砂寸奏」は紛れもなくポピパ先輩の隠れた名曲をリスペクトしたものに違いありません。ああいえ、隠れた名曲というのは言い過ぎなのですが、少なくとも2024年3月上旬時点では未だにライブ披露実績がないという意味では日陰に居続けている曲であり、実演が長らく待望されてもいます。あ、ところで次のポピパさんのライブって、MyGO!!!!!との合同なんでしたっけ? いや、まさかね。ハハハ……。

さて、青春が永遠などでは決してないからこそ、その短い時間を謳歌する少女たちは儚い輝きを放つわけですが、そのことを決定的に理解できない人物もまた存在しています。ハロー、ハッピーワールド!のボーカル、弦巻こころ。世界を笑顔に!という大きすぎる志を胸に、人並み外れたバイタリティで周囲に笑顔を振りまく、そんな太陽みたいなヒーローの暗黒面に、本項では敢えてフィーチャーしてみようかと思います。

そもそも何で世界を笑顔に!という大言壮語が口にできるかというと、世の中の負の側面が見えていないからです。その危うい世界観に対してはバンドストーリー1章から奥沢美咲がその点に疑義を呈しはしたのですが、こころはそれを意に介しません。戦争や貧困のような問題を無視している……というよりは理解できていない節があります。というのも、弦巻こころは財閥を運営する名家に生まれた、世間知らずの箱入り娘。であれば世の中の暗部をひた隠しにされて温室の中で育てられてきたことは想像に難くありません。世界の残酷さについて知る機会が、設けられてこなかったのです。

とはいえ、基本的にはその持ち前の行動力で周囲の人々の状況を好転させ、実際に笑顔を振りまいていくのがハロハピの基本的なストーリーラインです。ただ、バンドストーリー2章を終えた頃から、常にメルヘンを生きているこころと現実との軋轢が生まれ始めていきます。特に端的だったのが、『バンドガールズ・オブ・ザ・デッド』という美咲とりみがショッピングモールでゾンビに襲われるイベストでした。は???*7

このシナリオではりみの持ち寄ったゾンビ映画をみんなで観るシーンが描かれるのですが、ゾンビという存在を初めて知らされた弦巻こころの反応が上記画像のそれです。ゾンビになっても、みんなを驚かせて楽しめる。そう、弦巻こころ、明らかに“死”の概念を理解していません。なお、アニメ2期の文化祭でも「お化けが怖いなんて可哀想だもの!」とお化け屋敷をハッピーにしてしまうという荒業を見せましたが、これもやはりお化けを怖がる気持ちを理解していないためだと類推できます。死を理解できない弦巻こころにとって、ゾンビもお化けも熊やライオンと大差ない、ちょっと獰猛なだけの可愛い動物なのです。付言すると、これより以前には恐竜の化石を発掘するようなイベントもありました。確かに化石の発掘とは心躍る出来事ではあるかもしれませんが、この化石もまた獰猛だった生物の死を感じさせる存在ではあるのです。

Memento Mori――死を想え。Ave Mujicaが高らかに歌い上げるラテン語の格言は、古来より死を意識することでより生を意識できるというネガティブな視点からポジティブな生き方を啓発する人生訓です。であれば、死を理解できなければ生を理解していることにもならないということにもなりかねません。というか、おそらく弦巻こころはまさにその状態です。そんな危なっかしい様子が克明に描かれたのはハロハピみんながソフトボールに興じる『フルスイング!ハロハピソフトボール』でした。えっ、ソフトボールを通して死生観を語ったの!?

いや、マジなんですよこれ。弦巻こころ、投げたり打ったりして自在に動くというだけで、ソフトボールの“ボールさん”すらも動物と同等のものとして捉えています。自分がゾンビやお化けになればみんなを驚かせて笑顔にできるし、ボールさんは仲良くなればいずれ言葉を発してくれるはずのお友達なのです。これら各々はハロハピらしいコメディにおけるボケとして繰り出されるのですが、ここまで反復されるともう明らかです。このお嬢様、生命という概念すらも全く理解していません

ちなみに、体操選手並みの卓越した身体能力を誇るこころにしては意外すぎるくらいにこのイベントでは7番ライトというだいぶ微妙なポジションに置かれるのですが*8、それは投げるボールの軌道をコントロールできないことが主な理由でした。ボールは友達生き物と捉えているこころは、ボールの軌道を己の支配下に置くという考えがそもそもありません。ただ、友達扱いするが故に、経験則からフライをキャッチすることはできるようになりました。得てして万能に描かれがちな弦巻こころが、ボールというものを正しく認識できていないが故の無能が描かれている点でも興味深い内容です。

さて、死を理解できないということは別れを理解できないということでもあります。ハロハピのバンドストーリー3章『にこにこにねくと!』の舞台は、なんと海外でした。そこで、ニコリーナという花音によく似た異国の姫が、今まさに笑顔を失っている事実にこころが胸を痛めたことが発端となります。かつて花音をそう出来たように、こころにとっては救うべきだと確信できた存在です。笑顔になれずにいる少女の幸福を最優先し、ハピネールという異国に一人残ろうと決意します。ただそれは、あまりにも唐突な、ハロハピメンバーとの別れの予感でした。とはいえ、弦巻家の裕福さならば会おうと思えばいつでも再会はできるので、ともすれば合理的な判断のようには見えてしまうのが困りものでした。いつでも会いに行けることと、いつでも会えることは違う。あらゆる物事を可能だと信じる弦巻こころは、その事実を理解できていませんでした。

とはいえ、結局のところハロハピメンバーと出会えない時間をこころが意識した結果、自身の中でハロハピが特別な存在に育っていたと再確認することで元鞘に至ります。ただ、『にこにこねくと!』の最大のクライマックスはこの後に待っていました。弦巻こころがひとところにとどまれない存在だということは以前から危惧されており、この一件はその危険性が露呈したものに過ぎません。今後も、弦巻こころがまたどこか遠くに行ってしまう可能性は常に内包されています。そんな花咲川の異空間とまで称された少女との生涯を通した付き合い方を、奥沢美咲は異国の夜空に見出しました。

ボーカルは……星。弦巻こころも紛れもなく星に値する存在でしたが、北極星としてバンドの道筋を示す存在となったレイヤや、その手前に輝くカシオペア座の中心としてバンドメンバーの裾を力強く掴み取った高松燈とは、決定的にその在り方が異なります。弦巻こころという星は恒星などではなく、一瞬でその身を燃やす流星。そして、弦巻こころに付き合い続けるハロハピは、夜空に刹那的に降り注ぐ流星群なのだと自分たちの在るべき形を再確認します。あんたの物語に付き合う。バンドストーリー1章で奥沢美咲がうそぶいた言葉は、最終的には自身をも激しく燃やす輝きに変える言葉として結実するに至りました。

そして、言うまでもなく、流星群という刹那的なモチーフは、ゾンビや化石のように死しても残る存在とは相反する、“一瞬”を生きる儚い美意識の権化です。未だ死を理解していない弦巻こころですが、一瞬一瞬を積み重ねて一生という人生観になりそうなのは、今後の展望を思うと大変興味深いところです。

  • バンドガールズ・オブ・ザ・デッド
  • フルスイング!ハロハピソフトボール
  • にこにこねくと!
  • 旅立つ人へ

未だに弦巻こころが死を理解できていない問題は横たわり続けていますが、この4作を読むことで彼女の見る世界が垣間見えるはずです。『旅立つ人へ』は奥沢美咲がミッシェルを脱いだ姿ステージに上がったという歴史的なイベントでもあり、この過程では中身が空っぽのはずのミッシェルが美咲の背中を押したことが決めの一手となりました。文字通り、中の人など居ない状態でミッシェルがひとりでに動いたはずなどなく、偶然キグルミが重力に耐えかねただけの現象です。ですが、死を理解している美咲がキグルミの意思を都合よく解釈することで、ありのままの姿でステージに立つことを決意しまいた。本項で語った弦巻こころのそれとは対照的な形で、ありもしない無生物の心が好意的に働いた物語として、特筆に値します。

なお、死を理解してこなかった弦巻こころの抱える問題は、主としてシーズン3以降にスポットライトが当てられつつあります。おそらくは、こころが死を理解せずに発した言葉によって、とある少女の笑顔を奪った罪と向き合う形で展開しそうな状況です。生命の儚さに弦巻こころがどう向き合い、理解していくのかが、問われることになっていきそうです。

 

Theme 15:熱 ~湊友希那~

長々と続いた本記事も遂に最後のテーマとなりました。ガルパの最も美味しいところを味わって頂くとするならば、やはり湊友希那に触れないのはフェイクというものでしょう。最初に触れた丸山彩の物語は、ガルパが最重要視する成長を最も鮮やかに描いたもの。一方の氷川紗夜の物語は、日常の価値を高らかに称揚したもの。あとは前回の記事でご紹介した瀬田薫や白鷺千聖二面性などがガルパ物語の端的な魅力として挙げられると思うのですが、湊友希那がその物語で我々を魅了してくれるのは、その人間としての純度の高さにあると思っています。

あまりにも語るところの多いキャラクターなのですが、本項ではノーブル・ローズ以降を主として語るものとします。当初から目標としていた“頂点”ことFUTURE WORLD FES.で最高のパフォーマンスを実現して以降*9Roseliaの物語はプロデビューを意識したものへと変容していきます。

その第一歩となったのが『この胸満たすあたたかさは』。この物語で出会うミラさんという押しも押されぬプロミュージシャンの振る舞いが、それまでのRoseliaのストイックさとはかけ離れた一見フランクで軽薄なものであることに、当初友希那をはじめとしたメンバーは面食らいます。けれども、ひとたび演奏をすればRoseliaメンバーにこれまでの音楽体験を呼び起こさせるほどの実力を確かに兼ね備えてもいる、精強な先人でした。ミラさん曰く、自身は持久走型だとのことで、普段の姿勢は音楽を好きであり続けるために、敢えてセーブしているとのこと。この点、Roseliaに全てをかける覚悟はある?というスローガンから始まり音楽に全てをぶつけ続けているRoseliaとは対極にあるとも言えるのでした。

けれども、音楽に焦がれる気持ちは確かに共通しているものとして、自分たちが持っている同様の気持ちがプロという“高み”へ繋がっているのだと未来を見据えられるようになります。これ以降、Roseliaの、とりわけ湊友希那の物語は“熱”を最大のテーマとするようになりました。良き音楽とは、熱のように、自然に周囲へと伝播していくもの。そして、その熱源は自分たちの音楽への想いにあることを確認し、プロという未踏の世界へと歩み始めることとなりました。

さて、その後プロ入りするまでの経緯は紗夜のセトリにも入れた『Sprechchor』にて語られたので、敢えてここでは割愛します。というよりも、本番はプロ入り後に待っていました。ノーブル・ローズ三部作後のRoseliaの集大成としては、やはりブライア・ロード三部作を抜きにしては語れません。湊友希那が意識するようになってきた音楽がもたらす“熱”は、ともすれば一瞬で冷めてしまう刹那的なもの。つまりは常に“今”にしか無い熱量なのです。

全国ツアーを開始したRoseliaはその初演で最高とも言える演奏を実現します。ですが、次も同じようにできるはずという慢心が、大きな落とし穴へと繋がっていました。結果として、ツアー2日目となったライブでは本来想定した熱量には遠く及ばないパフォーマンスになってしまいました。それもこれも、結局は”今”を意識できなかったから。もっと言えば、惰性に陥ったとまで表現できます。

どんなに今日の失敗を悔やんでも、今日のライブはもう二度と再演できない。その事実を噛み締めたRoseliaメンバーが再起のために選んだ手段は、再演のための『再演のプレリュード』でした。かつて白金燐子が人生のトラウマになるほどの失敗をしたピアノ曲を、敢えてRoseliaのライブ前に再演することで、再起を果たします。ただ、ここは留意すべきところなのですが、白金燐子にとっては未だこの曲は恐怖と隣り合わせなものです。かつてのトラウマを今なお感じながらも、同時にRoselilaが与えてくれる安心感を拠り所とすることで、かつての失敗を乗り越えました。つまり、今も演奏の際には恐怖を覚える楽曲なのです。

ただ、その失敗のリフレインこそがこの日以降のRoseliaには必要なものでした。以後、Roseliaのライブ前にはこの曲を燐子が弾くことが通例となります。この日の失敗を二度と繰り返さないために、燐子1人がトラウマと向き合ってきた曲がRoselia全員がトラウマと向き合うための曲として再生産されました。これを機に、Roseliaはその時その時の“今”のライブに全力を注力することが最大の使命となっていきます。

そしてRoseliaが“今”と向き合うとなれば、あまりにも高い純度でいつも通りという名の“今”を抱きしめ続けた、Afterglowという好敵手の存在を蔑ろにするわけにはいきません。湊友希那が卒業を控えた時期、これ以後は同じ高校生では居られなくなる焦燥感から、美竹蘭がバチバチに意識している友希那に対して熱望したのは、RoseliaAfterglowの二度目の決戦。シーズン1の終盤辺りで一度2マンライブは実現していたのですが、その結果は引き分け。……えー、正直に申し上げますと、僕でも日和ったな~と感じた結末でした。いや、やっぱ勝負事って、白黒つけるのが一番スッキリする結末だと思うので。ただ、結果的にこの『褪せぬ誇りに差す残光』で雌雄を決しなかったことが、その後の物語における最高の布石となってくれました。なお、その後はG.B.T.というトーナメントにAfterglow、Morfonica、RAISE A SUILENがエントリーするなど、勝敗をつける物語はきちんと展開されるようになっています。その中から既に敗退するバンドも出ています。

そして、Roseliaは確かにプロデビューしたかもしれませんが、バンドリの各バンドが最高に輝く場は、“公式戦”よりも“私闘”です。それはプロデビューしたRoseliaや、元よりプロとして活躍するPastel*Palettes、そして世間の脚光を浴びるRAISE A SUILENとて例外ではありません。彼女らが、私闘としてそのエゴを剥き出しにできる時こそがその生き様が輝く瞬間です。プロとしてオフィシャルに振る舞うか否かは、あくまで付随するものでしかありません。むしろPastel*Palettesが初期からそうしてきたように、オフィシャルな活動の場すらも自分たちの私闘の領域に取り込んでいく。それこそが今後のRoseliaに求められるべきものです。ここでのAfterglowとの再戦は、その最高の私闘が実現したものとなりました。実際、観客もチュチュとロックとマスキングの3人という限られたものでしたし*10

結果的に、Afterglowとの私闘には完勝します。ですが、この時のAfterglowの、今この瞬間に燃え尽きるかのような演奏は、湊友希那の心に強く刻まれました。6年にわたり続いてきた物語の中で、Roseliaが常に志向してきたのは自分たちの実力の向上。故にその姿は、他のバンドなんか眼中にないと周囲からは感じられるような孤高の存在として映り続けました。

無論、これは厳密には誤解にあたります。既に述べたように、ガルパの物語は他のキャラクターと過ごす日常からの影響が成長の礎となるものなので、湊友希那も当然に他のキャラクターからの影響は受け続けてきました。この辺り、前回の記事でも取り上げた他者イメージと自己イメージの乖離というガルパ全体で共通するテーマを感じさせるところです。というか、湊友希那にとっては美竹蘭こそ最大の影響を与え続けてくれた張本人です。おそらくは美竹蘭もそのことを半分くらいは理解して、この憎まれ口を叩いたのだとは思います。こいつよ~!

ですが、自分に噛みつき続けてくれた存在がいたお陰で、湊友希那のライブ中でのパフォーマンスがここで決定的に変容します。自分たちだけで完結しているかのように見えた、少なくともライブではそう振る舞っていたRoseliaが、客席に対してメッセージを投げかけるようになりました。この点はアニメ3期でも多少の萌芽はあったりしたのですが、ここに至ってようやくその開花を見たと言っていいかと思います。

美竹蘭やチュチュといったライバル的な存在には特に衝撃でしたし、同様の感情を戸山香澄にすらも抱かせます。ただ、戸山香澄の感じ方だけは流石に他とは違っていました。この友希那がその長いバンド生活を通じて“今”を意識できるようになって到達したのは、キラキラドキドキであり、星の鼓動でした。そう、美竹蘭から受け取ったものを、再び彼女に返そうとしている、つまりはCiRCLING。境地に至った湊友希那が実現しようとしているのは、まさしくPoppin'Partyが大切にし続けてきたそれでした。

改めて取り上げますが、ノーブル・ローズ後のRoseliaが特にテーマとし続けてきたのは“熱”でした。ここで物理学の話をしましょう。まず、熱と音は、物理学的には等しく振動として扱われます。そして、熱には高いところから低いところへと伝わる性質があります。熱って、伝わる気がするよね。音楽を追求し続け、高みにたどり着き、その胸を焦がす“熱”を他者へと循環させるために奏でたRoseliaの音は、天上から降り注ぐ福音という形へと昇華されました。一瞬で冷めるかもしれない、けれども高みからこそ伝わっていく天上からの鼓動。“今”と“音楽”を扱い続けたコンテンツの到達点に相応しい景色がこの瞬間に展開されました。

  • 褪せぬ誇りに差す残光
  • 再演プレリュード
  • この胸満たすあたたかさは
  • ブライア・ロード ~今日に捧ぐ夜想曲
  • 天穹の誇りに刻みし烈光
  • ブライア・ロード ~未だ見ぬ終曲~

まずは謝罪から入らせていただきます。1つのテーマについて4イベストを厳選するという記事のコンセプトからは離れて、この項に限っては6イベスト以下には削れませんでした。出来るわけねぇだろブライア・ロードまでの道筋を4つに絞るなんてよぉ!! 正直これでも苦心したくらいなのです。特に美竹蘭側からの視点が欠けているので、ブースターパック第3弾があるとすればその辺り詳細に記載したいくらいです。あと、途中で触れた白金燐子が恐怖を克服していく物語も、1項を独立させるに足る含蓄がありますし……。

なお、本記事の執筆中に7周年前最後のイベント『ペイル・ローズ・ミラージュ』が開催され、ミラさんの再登場という嬉しいサプライズが行われながらも、彼女の語った持久走型の在り方がこのタイミングで再定義されることにもなりました。それまでのRoseliaの“今”は、これまでの全てをこのライブにぶつけるというもの。ですが、再登場したミラさんが語るのは、今が最後の瞬間かもしれないと覚悟しながら少しでも長く走り続けるために、これからの全てをこのライブにぶつけるという、更に進化した“今”への向き合い方でした。プロとして一生を意識するようになったRoseliaでしたが、プロだからこそ明日があるとは限らない。そんな新たな切り口での一生と一瞬の対照性を語る物語となっていました。一生って、難しい……!

 

えぇ~……本来は4~5選くらいに終わらせるつもりで書き始めたんですけど、結果的に7.5選くらいの内容量になってしまいました。ぶっちゃけ燐子の部分は独立させるか最後まで悩みましたので最悪本当に当初の想定の倍くらいに膨らむところでした。どうしてこんなことに?(周年前にやるからだよ?)。

前回に続いてですが、この形式の記事、触れるイベストの数は極力削りながら各テーマについての密度は濃くしていく必要があるので、本当に精神と体力の両方を削られます。前回も今回も、本当にグロッキーになりながらこの記事を書き上げる羽目になりまいた。

ですが、やはりガルパの物語は追いかけ続けるだけの魅力があると心から推薦できるとものですし、MyGO!!!!!起点で興味は持たれているとも思うので、少しでも多くの方に触れて頂きたいのです。一方で、今となってはイベストが増えすぎて入っていきづらい作品になっているのも確かなので、周年前のこのタイミングで少しでもその入口を増やせないかと思いました。この記事をきっかけに、ガルパの物語に入門していく方が1人でも増えたのなら、それは望外の歓びです。本記事で扱った範囲なら、とりあえず丸山彩の物語読めばいいと思うよ! いや本当、一番ガツンとその成長に心動かされると思うので。

ところで、この際なので白状します。前回の記事においてMyGO!!!!!から入ってきた人のためと銘打ちましたが、ハッキリ言ってこれは欺瞞です。確かに、初心者にとっての一助となればという思いはありました。でも、どちらかと言えば、一度ガルパを追いかけながらも離れていった人のために書いたものと言った方が、おそらく僕の想いとしては正しいものです。完全新規の方がガルパに馴染むというよりも、一度離れた人がガルパに戻ってきやすくなる作用に期待した思いの方が強かった。これは偽らざる真理です。

冒頭にも書きましたが、「ガルパのイベストは全部読め」と声高に喧伝し続けた結果、僕はその当時得ていた繋がりの多くを失うという顛末を辿りました。いやまあ、絶対全部読んだ方が楽しめるんですよ。そこは保証します。でも、それを受け入れられない人もいるということも受け止めなければならない。そして、その歴史の長さから、一度離脱すると戻ってきたとしてもまさに迷子になりかねないのだとも思います。その迷子リスクは、おそらく離れた期間に比例してしまうのが厄介なところです。

となると多少味は落ちるとしてもショートカットルートを提示することこそが、長らくこのコンテンツに狂い続けている人間の一つの使命ではないかと思いました。これが2年ほど前ならそれも難しかったとも思うのですが(僕が周囲との繋がりを失ったのもその時期です)、シーズン2が完結してそれまでの物語を振り返りやすくなった今、ようやくそれも可能な段階になってきました。そして7周年を機に、MyGO!!!!!も本格的に他バンドと交流する“越境”を開始しようとしています。そのことを踏まえると、やはり今がその時期だと確信するに至ってこの記事を書きました。勿論、新規の方にとってのガイドラインになる作用も多かれ少なかれ期待しましたけど。

前島亜美さんは苦難を乗り越えて、Craft Eggはフロムトーキョーと名を変えて、しいはらりゅう先生もコミカライズを完結させる形で、“今”BanG Dream!の転換点にReturnsしてくれています。ですから、一度ガルパを離れた方々にも“今”、ガルパにReturnsしていただけないかと思うのです。ねえ君、早く帰ってこい。今回の記事には前回の記事にも増して、そんなPrayを強く込めました。

*1:言わずもがな、この辺りはPoppin'PartyがGlitter*Greenの輝きを目にしてバンドというキラキラドキドキを見つけた流れと軌を一にしています。

*2:後輩ユニットの名前がVivid BAD SQUADからVividを、Colorful Paletteから画材つながりでCanvasという単語をそれぞれ採用していることは、あまりにも示唆的です。

*3:さよつぐは確かに強固かつ人気のあるカップリングでありながら、本編よりもカードエピソードで掘られることの方が遥かに多かったりします。そのため僕も全容を把握しきれているとは言い難いところです。

*4:アニメ1期では沙綾、ガルパ2章では有咲、アニメ2期ではたえがメンバーに相談することなく勝手に問題を抱えたことが騒動の発端でした。

*5:使ったこと自体はあります。ただ、アニメのように映像にシンクロさせることは不可能なため、どうしても効力の面では見劣りしてしまいます。

*6:なお、紙幅の都合から言及は省きますが、上記画像にある花火大会で最初にこのやり取りは行われており、そちらのタイトルは『鼓動重なる花火大会』です。やはり“鼓動”がキーワードとなっています。

*7:釈明しておくと、パスパレの番組による素人巻き込み型ドッキリ企画というオチでした。なお、この時のゾンビ演技が評価されたのか、パスパレが後にゾンビランドサガとコラボすることにもなりました。

*8:一応言及しますと、高校野球以上ならともかく、草野球レベルにおけるライトは一番下手な人が就くポジションです。運動能力も平均的な奥沢美咲が5番セカンドだったのが好対照ではないかと思います。

*9:前述の紗夜が自分の音を受け入れたのもここです。

*10:1度目の対決となった『褪せぬ誇りに差す残光』ではRoseliaAfterglowのお互いのファンが観客でした。このことが、引き分けという言い訳の余地を生んだので、チュチュら3人にまで観客を絞ったのは英断でした。